納豆の効果的な食べ方と、他の食材との組み合わせ

納豆は日本で古くから愛され、現在でも健康や美容に欠かせない食品の一つとなっています。栄養価の高い大豆を納豆菌で発酵させることにより、腸内環境が整ったり血液の流れをよくすることで高血圧予防などにも一定の効果が期待されています。

ここではそんな納豆の効果・効能を向上させる食べ合わせや、食べ方について紹介させていただきます。中には、その効果が減退してしまう食べ方もあるので、気になる方は是非チェックしてみてください。納豆に含まれる主な栄養素や働きは下記の記事にもまとめています。

納豆の効果的な食べ方

まずは、納豆をおいしく効果的に食べる方法を確認していきたいと思います。どれも、納豆の味や栄養価を極端に変化させるようなものではありませんが、どうせ食べるなら、美味しく効率的に栄養素摂取できることにこしたことはありません。

納豆はなぜ混ぜる?

納豆を食べる前は必ずと言っていいほど、納豆をかき混ぜると思います。当たり前すぎで特に意識されたこともない人も多いかと思いますが、納豆を食べる前に納豆を混ぜる理由をご存知でしょうか?

納豆のネバネバの正体は、ポリグルタミン酸という物質です。このポリグルタミン酸は、旨味成分であるグルタミン酸が何重にも結合したもので、ポリグルタミン酸の状態では、旨味は感じ取りにくくなっています。

納豆をかき混ぜることで、ポリグルタミン酸が分離し、グルタミン酸の旨味を感じやすくなります。また、空気も入り込んで口当たりも非常にまろやかに食べやすいものになります。

混ぜる回数についてですが、300~400回程度が最も旨味成分が引き出せると言われています。いくら納豆が小さいと言え、300~400回も納豆をかき混ぜるとさすがに腕がだるくなってきますが、ウエイトトレーニングやダイエット目的で納豆を摂取しようとしている方にはちょうど良いかもしれませんね。

ちなみに、納豆をかき混ぜると旨味成分は増しますが、混ぜても混ぜなくても栄養価には変化がありません。また、味覚は人それぞれ個人差がありますので、「ネバネバがちょっと・・・」と言う方は混ぜなくてももちろんOKです。

納豆はいつ食べる

次は納豆を食べるタイミングについての話を少ししていきたいと思います。結論を先に言っておくと朝食に1パック、夕食に1パックの計2パックがオススメです。

まず朝食の1パックについてですが、納豆はタンパク質が非常に豊富です。タンパク質にはその種類によって様々な働きがありますが、朝納豆を食べることで、代謝がよくなったり、運動(活動)前にタンパクを摂取することで、より強い筋肉や臓器を作る手助けをしてくれます。

次に夜の1パックについてですが、納豆は大豆が納豆になる過程で、ナットウキナーゼというタンパク質分解酵素が生成されます。このナットキナーゼの大きな働きの一つとして、血栓の溶解があります。

血栓は、【脳梗塞、心筋梗塞、末梢動脈血栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓】等の原因となるのもで、ナットウキナーゼは様々な角度からこの血栓ができにくいように働きかてくれるのです。

血栓ができやすくなる条件には様々なものがあり、食生活や喫煙、血流の水分量の低下等があげられますが、実は就寝中も血栓ができやすい条件の一つに入っています。これは就寝中はどうしても運動量が低下するので血流が悪くなるためです。

そのため、血栓溶解作用がある納豆を夕食に食べることで、就寝中に血栓ができてしまうリスクを低減する一定の効果が期待できるとされているのです。

納豆食べすぎ注意

このように朝晩問わずに良い効果が期待できる納豆の栄養素ですが、どんなに良質な栄養素も食べすぎはよくありません。

例えば、納豆に含まれるビタミンEは抗酸化作用があったり悪玉コレステロールの増加を防ぐ働きがありますが、摂りすぎると出血した血液がとまりにくくなったり、骨の強度を下げてしまうことが知られています。

また、納豆にはプリン体もそれなりに含まれているので、痛風や高尿酸血症がある方は控えた方が良いでしょう。

ナットウキナーゼは熱に弱い

先程ナットウキナーゼは血栓を溶解する効果が期待できるので、納豆は血栓ができやすい就寝前(夕食)に食べると良いと紹介させていただきましたが、そんなナットウキナーゼにも弱点があります。それが熱です。

ナットウキナーゼは熱に弱く、50℃程度で血栓溶解作用が弱まることがわかっています。そのため、ガスやオーブンで直接熱を加えることはもちろん、アツアツのご飯やトースト、スパゲティー等に載せて食べる場合は注意が必要です。

巷で話題の卵との食べ合わせについて

ご飯に納豆と卵を載せて食べる定番ともいえる組み合わせ【納豆と卵】。実はこの食べ合わせが納豆の一部の栄養素の働きを阻害することがわかっています。それがビオチンです。

ビオチンは別名ビタミンHと呼ばれ、ビタミンBの一種となります。このビオチンはコラーゲンの生成に関わっていて、髪の毛や爪または皮膚などを健康に保ち美肌などにも一定の効果が期待されている成分です。この成分が納豆にも含まれています。

このビオチンは【アビシン】と呼ばれるたんぱく質と相性が悪く、同時に摂取すると、ビオチンとアビシンが結合してビオチンの働きを阻害してしまいます。このアビシンが卵に含まれているのです。

ですが、それほど神経質になる必要はありません。まず第一にアビシンが含まれるのは卵の卵白の部分のみとなっています。ですので、【納豆+卵黄】の組み合わせであれば、ビオチンの働きを阻害することはありません。

次に、ビオチンは卵はもちろんのこと、「キノコ類」「鶏肉」「豚肉」「落花生」「パン」「あさり」「牛乳」等様々な食材に含まれていて、食生活のバランスが取れていれば不足することはなく、納豆から無理に摂取する必要はないでしょう。

納豆食べ合わせランキング

  1. 【納豆+キムチ】の食べ合わせ

    納豆菌は乳酸菌やビフィズス菌同様に腸内環境を整える働きが有るとともに、他の善玉腸内細菌の活動を活発化する働きをもっています。そして、キムチは納豆同様に発酵食品となっていて、乳酸菌を多く含んでいます。

    つまり、これら二つの食材を同時に摂取することで腸内環境改善の相乗効果が期待できます。また、キムチにはビタミンBや食物繊維も豊富なので、脂質や糖質の代謝を促すとされていて一定のダイエット効果もきていできます。

  2. 【納豆+ヨーグルト】の食べ合わせ

    ヨーグルトもキムチ程ではないものの、乳酸菌を多く含む食べ物なので、納豆との相乗効果で腸内環境の改善が期待できます。

    ただしヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は胃酸に弱いので、空腹状態で摂取すると濃度が濃い胃酸の影響で生きたまま腸まで届かなかったりします。ですので、納豆+ヨーグルトの組み合わせは、なるべく食事の後半で摂取することをオススメします。

  3. 【納豆+ネギ】の食べ合わせ

    この食べ合わせは特に女性におすすめです。納豆にはダイエットに最適なビタミンB群が含まれています。

    もちろんそのまま食べても一定の効果が期待できますが、ネギにはアリシンという成分が含まれていて、納豆と同時に摂取することで、ビタミンB群と結びつきより高い効果が期待できます。

    その他にもネギには、疲労回復・体力向上・生活習慣予防など様々な効果ができる食材です。