【納豆の健康パワー】納豆菌とナットウキナーゼ

現在ではどんな小さなスーパーでも必ずといっていいほど取り扱っている納豆。紙パックや発泡スチロールで3パック~4パックセットで販売されていて、常に冷蔵庫にストックしているご家庭も少なくないと思います。

発酵食品である納豆は、安価で栄養価が非常に高い食品で、【筋肉や臓器を作る】【免疫機能を高める】【腸内環境を整える】等様々な健康効果が期待できる食品でもあります。ここでは、そんな納豆の健康効果・効能について紹介していきます。

納豆の歴史

納豆が一般家庭に広く普及し始めたのは江戸時代頃と言われています。現在では、紙パックや発泡スチロール等でセット売りされているものが一般的な納豆ですが、当時は藁(わら)に包まれて販売されていました。

これは、納豆を作る為に不可欠な納豆菌が稲の藁に多く生息している為です。納豆の歴史は諸説いろいろなものがありますが、その中の一つに以下のようなものがあります。

まだ、住居の床に藁(わら)を敷いて生活していた時代、食べこぼしの煮豆が床に敷いた藁の隙間に落ちてしまい、それに気づかずに数日が経過。その後見つかった豆を確認すると発酵していて、食べてみると美味しかった。

というものです。
現在では、人工的に納豆菌の培養ができるようになったので、藁ではなく衛生的な発泡スチロールや紙パックが使われるのが一般的ですが、昔ながらの藁に包まれた納豆を取り扱っているメーカーも多く存在します。

納豆に含まれる栄養素と効果

納豆45gに含まれる栄養成分一覧と効果
  1. たんぱく質7g程度(納豆45g当たり)
  2. 食物繊維3g程度(納豆45g当たり)
  3. ビタミンB6(0.1mg)程度(納豆45g当たり)
  4. カリウム300mg程度(納豆45g当たり)
  5. カルシウム40mg程度(納豆45g当たり)
  6. マグネシウム45mg程度(納豆45g当たり)

たんぱく質7g程度(納豆45g当たり)

たんぱく質は「とりささみ」や「ぶたもも肉」「焼き魚」に多く含む栄養素で、筋肉や血液、臓器などを作るとても重要な成分の一つで三大栄養素【たんぱく質・脂質・糖質】のうちの一つとなります。ウエイトトレーニングをする方にはおなじみの栄養素ですね。

このたんぱく質を納豆の元となる大豆は多く含んでいて、別名(畑の肉)とも呼ばれています。また、大豆はコレステロールを含んでいない為、他の食材と比較して、悪玉コレステロールが増加して発症する動脈硬化などのリスク軽減にも繋がります。

食物繊維3g程度(納豆45g当たり)

納豆には食物繊維も多く含まれています。食物繊維は血糖値の上昇を抑えたり、悪玉コレステロールの増加も抑制する働きがあります。また、腸の働きを整え便秘の予防・肥満や糖尿病等のリスクを軽減する働きももっています。

ビタミンB6(0.1mg)程度(納豆45g当たり)

ビタミンB6は体内に吸収したタンパク質が筋肉や臓器を作るのために必要な栄養素となります。納豆はタンパク質も多く含まれているので、身体を作るのに適した食材と言えます。また、ビタミンB6には免疫機能維持の効果もあります。

カリウム300mg程度(納豆45g当たり)

カリウムはナトリウムと共にバランスを保ちながら細胞内に存在し、筋肉や臓器の働きを維持すると共に、浸透圧を調整する働きがあります。

また、カリウムには体内に含まれる余分な塩分(ナトリウム)を排泄する効果があり結果として血圧を調整(下げる)働きもあります。

カルシウム40mg程度(納豆45g当たり)

牛乳やヨーグルトなどの乳製品に多く含まれるカルシウムですが、納豆にもカルシウムは含まれています。ご存知の通り、カルシウムは骨や歯の主成分で私たち人間の骨格を形成するために非常に重要な成分と言えます。

また、カルシウムは骨や歯だけではなく血液や筋肉にも必要な成分なので、血中にも必要な成分となり、不足した場合骨に蓄えられているカルシウムが溶解し血中で使用されることになります。

マグネシウム45mg程度(納豆45g当たり)

マグネシウムはカルシウム同様に骨や歯に多く含まれる成分で、血圧の維持や筋肉運動をスムーズに行う為に必要な成分となっていてます。また、エネルギー代謝を促し動脈硬化などの予防にもつながります。

【ナットウキナーゼと納豆菌】納豆と大豆の大きな違い

納豆の元である大豆はそれだけで非常に栄養価の高い食材ですが、大豆から納豆となると、血液をサラサラにし血流を良くしたり、様々な栄養素の値が向上し、より私たち人間の体にとって良い食材に変わります。そこには、大豆を納豆に発酵させるための、納豆菌とその過程でできるナットウキナーゼが深く関わっています。

納豆菌の働き

先程も少し触れましたが、納豆菌は稲の藁に多く生息する枯草菌の一種となります。主な働きは整腸作用があるとして有名な、乳酸菌やビフィズス菌と同様に腸内環境を整える働きを持ちます。

また納豆菌は【熱・冷・酸】に耐性があるため、胃で溶解されにくく生きたまま腸へ届き、乳酸菌やビフィズス菌の働きを助けたり、腸内悪玉菌を抑制する働きもあります。結果として便通も良くなるため、ダイエットにも一定の効果があるとされています。また、抗菌作用があることも知られています。

ナットウキナーゼの働き

ナットウキナーゼは大豆が納豆菌の働きで発酵し納豆になる過程でできる、タンパク質分解酵素となります。ナットウキナーゼの主な働きは血栓の溶解です。

血栓は私たち人間の体に深刻な問題をもたらす可能性があります。具体的には、【脳梗塞、心筋梗塞、末梢動脈血栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓】等でどれも命に関わる場合がある病気です。

ナットウキナーゼはフィブリンと呼ばれる血栓の主成分に直接働きかけたり、血栓を作りやすくすると言われているPAI-1の働きを阻害することにより、これらの病気へのリスクを軽減できるとされています。