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【有酸素運動】と【無酸素運動】。どちらも同じ運動ですが、これら2つの運動違いをご存じでしょうか?ダイエットや健康のことを考えるのであれば、これら二つの運動の働きを理解することで、より効率的に目的を達成することができます。

有酸素運動とは?

有酸素運動とは、体内に取り入れた酸素と共に脂肪や糖質を燃焼する運動で、具体的にはウォーキングやジョギング、サイクリングやスイミングなど、軽度~中度程度の負荷がかかり、長時間継続的に繰り返し行える運動の事となります。

有酸素運動が身体にもたらす効果

有酸素運動

有酸素運動は先程も少し触れましたが、酸素と共に脂肪や糖質を燃焼します。脂肪を燃焼するためダイエットに効果的です。ただし、有酸素運動を開始して30分程度は脂肪よりも糖質が多く代謝されるため、ダイエット効果を効率的に得ることができません。

ですが、30分以上有酸素運動をし続けると徐々に脂肪の燃焼が促進されはじめます。「有酸素運動を短時間してもあまり意味がない」というのはこのためです。

また、私たち人間には【皮下脂肪】と【内臓脂肪】の2つの脂肪がありますが、特に内臓脂肪はが増えすぎると、高血糖、脂質異常、高血圧、動脈硬化等の様々な健康被害の原因となります。有酸素運動は内臓脂肪を優先的に燃焼させ血中の悪玉コレステロールを抑制、善玉コレステロールを活性化させる働きもあり、循環器系も含め様々な健康被害予防にもつながります。

無酸素運動とは?

無酸素運動

無酸素運動とは、身体を動かすために必要なエネルギーを作り出すために酸素を必要とせず、ATP(アデノシン三リン酸)がエネルギー源となります。無酸素運動は一時的に強い大きな力を発揮したり、速度の速い運動ができますが、これを長時間継続しておこなうことはできません。これは身体(筋中)に蓄えることができるATPが少量であるためです。

無酸素運動には、筋トレや短距離走、投てき・ウエイトリフティング等が例としてあげられます。

無酸素運動が身体にもたらす効果

無酸素運動は身体を動かすために必要なエネルギーを生成するために、酸素や脂肪を必要としません。そのため、有酸素運動のように脂肪への直接的なアプローチはありません。効果は筋力アップ・筋肉肥大などがあげられるわけですが、本題はここからです。

私たち人間は有酸素運動、無酸素運動とは関係無しにエネルギーを消費し続けています。具体的には心臓を動かして血液を体中に運搬したり、肺をを動かして呼吸をしたり・・・これらは私たちが生命維持・活動を行う上で最低限必要なエネルギーでこれを基礎代謝と言います。

基礎代謝を行う為にはもちろんエネルギー(熱量・カロリー)が必要です。そのため基礎代謝があがると、食事をしても太りにくく痩せやすいからだができると言われています。

そして、基礎代謝割合が多いのが【筋肉】と【心臓】と【肝臓】で、基礎代謝全体のうちこれら3つで実に6割程度を占めています。つまり無酸素運動で筋肉をつけることで、なにもしなくても消費するエネルギー(カロリー)が増え太りにくく痩せやすい身体づくりができるのです。

ダイエットも健康管理も無酸素運動と有酸素運動の組み合わせがオススメ!!

無酸素運動をすると筋力がアップして基礎代謝がありますが、エネルギーとして脂肪を必要としないため、その効果をなかな実感することができません。逆に、有酸素運動は効率的に脂肪を燃焼しますが、基礎代謝が底上げされにくいので、体質的に太りやすい人はせっかく脂肪を燃焼させても再び不要な脂肪(リバウンド)がついてしまうかもしれません。

無酸素運動と有酸素運動の効果を効率的に得るには、これらの運動を組み合わせて行うことが必要になってきます。下記は無酸素運動と有酸素運動の特徴を表にまとめたものです。

有酸素運動 無酸素運動
特徴 糖質や脂肪を酸素と一緒に燃焼させる比較的軽い運動。また、長時間繰り返し行える運動。 運動エネルギーを作り出すために酸素を必要とせず、体内に蓄えられた糖質をエネルギーに変え、瞬発的に強く速い動作を行う運動のこと。ただし、短時間しか持続できない。
運動の種類 ウォーキング
スイミング
ジョギング
エアロビクス
なわとび
サイクリング
短距離走
重量上げ
相撲
砲丸投げ
ハンマー投げ
筋力トレーニング全般
効果 内臓脂肪を燃焼することで、ダイエット効果や循環器系を含め様々な健康被害を予防 筋力アップや筋肥大による基礎代謝の向上。

まず優先して行うべき運動は基礎代謝の底上げが期待できる無酸素運動です。基礎代謝が底上げされてからの有酸素運動が効率的に脂肪が燃焼できることは当然ですが、有酸素運動は運動を始めてからはしばらく糖質を主に燃焼します。そして30分程度を目安に徐々に脂肪が燃焼され始めます。

筋トレ等の無酸素運動は脂肪は燃焼しませんが、糖質は代謝します。つまり無酸素運動で糖質をある程度代謝しておけば、次の有酸素運動をする際に既に糖質が代謝された後なので、効率よく脂肪を燃焼させることができます。

また、無酸素運動は成長ホルモンの分泌も促します。この成長ホルモンは筋力をアップさせたり、疲労が蓄積した筋肉の回復を早めたりする効果があります。さらに、脂肪を燃焼を促進させる働きもあります。

有酸素運動⇒無酸素運動の順が絶対にいけないというわけではありませんが、無酸素運動は短時間に高負荷をかけるトレーニングで筋肉を追い込む必要があります。有酸素運動を先行して糖質を代謝してしまうと、無酸素運動に必要な糖質の代謝ができず思うようなパフォーマンスができない可能性がある他、エネルギーが無い状態での無酸素運動はケガの原因にもつながりかねないのでなるべく避けた方が無難でしょう。