日本の道路上には、数多くの標示があります。これは道路上の安全と走行の円滑を目的として設置されています。中でも、ほとんどの道路に標示されているのが、【中央線(センターライン)】と【車線境界線】です。日本の公道を走行することを認める自動車免許や二輪車免許を取得している方なら、必ず一度は勉強し覚えたとおもいます。
ですが、どうでしょうか?「なんとなくは知っているけど正確には・・・・」という人が大半を占めると思います。ここでは、【中央線】と【車線境界線】について詳しく紹介しています。
【中央線】と【車線境界線】とは?
【中央線】とは?
通称「センターライン」のことで、対向車線との境界を示す線のこととなります。「中央」や「センター」という名が入りますが、車線数の違いや道路幅の違い等の理由で必ず道路の中央に設置されている物ではなく、あくまで対向車線との境界線という意味合いになります。
形状(と色)は、主に3種類で【白色の実線】【白色の破線】【オレンジ(黄色)の実線】となっていてそれぞれ意味が異なります。ちなみに、高速道路や車線数が多い道路には線ではなく、ガードレールや植え込みなどの構図物が設置されている場合があります。この場合は線ではないので、「中央分離帯」と言います。
【車線境界線】とは?
車線境界線は片側2車線以上(4車線以上)の道路で車線の境界を示す線となります。センターラインとは違い車両が同方向に進行する際の車線の境界線となります。
車線境界線の形状(と色)は中央線と同様に、主に3種類で【白色の実線】【白色の破線】【オレンジ(黄色)の実線】となっています。中央線と同様にそれぞれに意味があり、内容は中央線と同様のものと異なるものがあるので、下記で詳しく確認していきたいと思います。
【中央線「センターライン」】の意味とルールの違い
では路面標示の中央線からみていきます。まずは簡単に中央線のルールの違いをまとめておきます。
- 【白色の破線】・・・センターラインをはみ出して追い越し可能なライン。
- 【黄色の実線】・・・追い越しのためのセンターラインはみ出しが禁止されているライン。工事車両等の駐停車車両や障害物を避けるため、やむを得ない場合のみはみ出し可能。
- 【白色の実線】・・・原則としてセンターラインをはみ出してはいけないことを表すライン。
【中央線-白色の破線】
中央線が白色の破線になっている場合は、前方を走行する車両を追い越すためや、その他障害物を避ける為にラインをはみ出して走行することが可能であることを意味しています。
一見、最も自由度が高くストレスなく走行できるような気がしてしまいますが、中央線が白色の破線になっている道路は道路幅が6m未満と広くありません。特に障害物ではなく、前方を走行する車両をセンターラインをはみ出して追い越す場合は、反対車線を走行する車両に十分注意する必要があります。
【中央線-黄色の実線】
中央線が黄色の実線になっている場合は、車両を追い越すためのラインはみだしを禁止するラインとなっています。つまり、車両の追い越しではなく、工事車両等の駐停車車両やその他障害物がある場合、十分安全を確認してセンターラインをはみ出して走行することが可能です。
また、文章的にはセンターラインをはみ出さなければ車両の追い越しが可能となりますが、道幅も狭く交通量が多い道路に標示されているケースがほとんどなので、実質的に車両の追い越しはできません。
【中央線-白色の実線】
意味合いとしては、上記の【中央線-黄色の実線】と似ています。
中央線が白色の実線になっている場合は、危険を回避する等の特別な理由がない限り原則中央線をはみ出すことができないことを意味します。白色の実線は道幅が6m以上の広い道路を想定して設置されているので、センターラインをはみ出さなくても、車両や障害物を避けれることが前提となっています。
【車両境界線】の意味とルールの違い
同方向に車両が進行する車線の境界線にも、中央線同様に【白色の実線】【白色の破線】【オレンジ(黄色)の実線】の3種類が設置されています。
【白色の破線】【オレンジ(黄色)の実線】の2つの意味は中央線の時と同様で、【白色の破線】は車両境界線をはみ出しての追い越しが可能なライン。そして【黄色の実線】は、追い越しの為のラインはみ出しが禁止されるライン。ただし、工事車両等の駐停車車両や障害物を避けるためであれば安全を確認しつつラインはみ出し可能となります。
ただし、【白色の実線】のみ中央線の時と意味が変わってきます。
【車両境界線-白色の実線】
車両境界線での白色の実線は【白色の破線】と基本的には同じ意味を持ちます。つまり、ラインをはみ出して車両を追い越すことができるラインとなります。
使い分けは、追い越し可能な車両境界線は基本的に破線で標示され、カーブが多い等の理由で追い越しが望ましくない場所は白の実線が用いられる場合が多くなっています。
その他のライン
上で紹介した路面標示以外にもいろいろな路面標示があるので、よく見かけるものをいくつか紹介しておきます。
右折専用車線手前によく見かけるゼブラ状の模様になっている区域。この区域を導流帯といいます。導流帯は「道路の安全かつ円滑を確保するために車両を誘導する」為に設置されている物なので、立ち入りを禁止するものではありません。
ただし、導流帯(ゼブラゾーン)の周りのラインが黄色で表示されている場合は、立ち入り禁止部分となるので注意が必要です。
このラインは地域によってはほとんど見ない方もおられるかと思います。このような2本の異なるラインが組み合わせられている車線の場合は、自分が走行している側から近い車線のルールが適用されます。
イラストの左側は【白色の破線】が適用。つまり、十分な安全を確認したうえでラインをはみ出して追い越しが可能です。逆にイラスト右側は【黄色の実線】が適用されます。つまり、追い越しのためのラインはみ出しが禁止されます。