オセロの四大定石も最終回です。今まで、《うさぎ定石》《うし定石》《とら定石》の手順を紹介してきました。今回は4つめの《ねずみ定石》となります。この《ねずみ定石》を最後にしたのには理由があります。
それは、他の3つの定石と比較した時、《ねずみ定石》を打ってしまうと、序盤戦圧倒的に白が不利になってしまうからです。どう不利になるのか、評価値と合わせて確認していきたいと思います。《うさぎ定石》《うし定石》《とら定石》については、下記の記事を参考にしてみてください。
オセロは、その局が終了するまでに、100万通りを超す手順があり上級者に勝つためには、常に最善に近い手を打つことが必要になってきます。 手が進むにつれて、その手順は木の根のように広がり最善の手を導き出すのが困難になってきま …
前回は、2手目の縦取りから派生する基本の四大定石《うさぎ定石》について紹介させていただきました。 今回は、2手目の斜め取りから派生する牛(うし)定石について紹介していこうと思います。繰り返しになりますが四大定石は局序盤で …
オセロの序盤の打ち筋には最善手に近いとされる打ち筋が4つあります。この打ち筋のことをオセロの4大定石といい、この打ち筋からはずれた打ち方をすると不利になるケースが多くなります。 今回は、オセロの《うさぎ定石》《うし定石》 …
オセロの虎定石の手順と評価値
※オセロ盤内にある青い数字はコンピューター解析による評価値となって、この数字が大きければ大きい程ゲームを有利に進めることができるとされています。
もし不明なオセロ用語が出てきたら、下記の記事を参考にしてみてください。
子供から大人まで、だれでも簡単に遊ぶことができるオセロ。 8×8マス=計64マスに、黒・白と交互に石を置き、縦横斜めに挟んだ石は自分の石の色に返し、最終的に石が多い方が勝利となる単純ゲームですが、これがなかなか奥が深い。 …
まず、一手目は《F5》に黒を打ちます。最初はどこに打っても評価値は変わらないので《F5》以外に打っても評価値に変化はありません。
肝心なのが次の2手目です。白を評価値-6の《F4》に打ちます。これを並び取りといいます。評価値は数字が低ければ低いほど悪手となります。つまり、序盤の序盤、2手目に最も悪いマスに白を打つことになります。これが《ねずみ定石》を打たない方が良い理由です。続いて見ていきます。
白が悪手である《F4》に打つことで、黒はキレイに中割できる《E3》に石を打つことができるようになります。
すでに白は形勢不利な状態です。最善手でも《F2・F6》の評価値-6の手しかありません。より良い手(ねずみ定石)は《F6》になるので4手目はここに白を打ちます。
そして、最後の5手目は評価値通り《D3》に黒を打ちます。この形の事を《ねずみ定石》と言います。
評価値を見ていてもわかるように、2手目の並び取りがきっかけに白は不利な状況が続いてしまいます。そのため、四大定石のうち、もっとも使用されない定石がこの《ねずみ》定石となります。
ですが、《ねずみ定石》を打つと勝てない!という訳でもありません。《ねずみ定石》は【使用されない定石=研究が進んでいない定石】でもあります。そのため、有段者の中には、あえてこの《ねずみ定石》を打ち相手をかく乱する手法をする方もおられます。
ただし、これを利用して勝負に勝つには、ねずみ定石を理解して相手をかく乱できる知識と腕が必要になってきますので、オセロ、初心者・中級者が無理に使用する定石ではないのは間違いないかと思います。