大人から子供まで、誰もが楽しめるオセロ。ルールはとても簡単で、交互に石を打ち自分の石で挟んだ相手の石は自分の色に返し、最終的に石の数が多いプレイヤーの勝利となります。
ルールはこのように単純ですが、なかなか奥が深いボードゲームで、オセロというゲームをそれなりに知っている人には、なかなか勝てなかったりしませんか?オセロは運のゲームではなく、勝つためのコツを《知っているか》《知らないか》が大切なゲームでもあります。
オセロの必勝法をわかりやすく解説
本末転倒なお話になりますが、そもそもオセロに必勝法が《存在するか》《存在しないか》について触れておきます。結論を先に言ってしまうと、オセロに必勝法は存在しません。
仮に必勝法があるのであれば、誰もがそれを使用してしまい、オセロというゲームが全く面白くないものになってしまいます。オセロは数多くの戦略や先読みの技術を用いて勝負を競うからこそ面白いゲームになるのです。
・・・ですが、上記はある程度、オセロ意識が高い方やオセロ有段者に該当することであって、それ以外の方には当てはまりません。つまり、今から紹介するテクニックを用いれば、普通の(知らない)人や初級~中級オセロAIに対しては必勝法となるので、是非参考にしてみてください。
必勝法その0-《オセロ》の勝ち方を知ろう
まずオセロに勝つための必勝法を紹介するために、勝つために必要な4つのことをまとめておきます。
- 自分の打てる場所を増やす
- 相手の打てる場所を減らす
- 確定石を増やす
- 終盤の最後の一手は自分が打つ
この4つのことさえできれば、(これらのことを知らない)普通の人には絶対に負けません。ではここから、これら4つのことをするにはどうすれば良いかを具体的に解説していきたいと思います。
必勝法その1-《開放度》を知ろう
オセロで勝つためには序盤、自分の石をできるだけ「増やさない」・相手の石を「返さない」なんてことを聞いたことがある人もいるかと思います。これは間違いではないのですが、完全な正解ではありません。
これは先ほど紹介したオセロで勝つために必要な《自分の打てる場所を増やす》または、《相手の打てる場所を減らす》部分に深く関わってくる部分です。
一見、《自分の石を増やさない》=《自分の打てる場所を増やす》になり得そうですが、必ずしも《自分の石を増やさない》=《自分の打てる場所を増やす》にはなりません。
例えば、このような白の手番の局面。とにかく自分の石を少なくする、つまり石を1つ返すなら、《F8》《G8》や《B6》になってきますが、最善の手はこれらではありません。このような白の手番の曲面であれば、2枚取りの《G3》や3枚取りの《D2》や《E2》が正解となってきます。
最善の手である《G3》に白を置いた時の結果は以下の通りです。
この結果が最善の手であることがわかる方であれば、オセロの知識が無い人に負けることはまずありません。この結果は《開放度》という考え方から導き出したものになります。《開放度》はオセロの基礎の基礎の考え方で、オセロの腕を上げるためには欠かせないテクニックの一つですが、普通の人でオセロの《開放度》を知っている人は多くありません。では、このオセロの開放度について詳しく見ていきたいと思います。
まず《開放度》というのは、返した石の周りの空きマスの数のことを言います。例えば・・・
よくある序盤のこの局面。黒の手番で黒は《D3》に打ちます。すると《D4》が黒に返ります。この時、黒に返った《D4》の周りにある空きマスの数が開放度の数となります。《D》のまわりには2つの空きマスがあります。つまり、《D3》に打った黒の手は《開放度2》の手であると言えます。
この開放度は数が小さければ小さいほど好手、数字が大きければ大きいほど悪手になる場合が非常に多いです。例えば、先程の局面で黒が《D3》ではなく《C2》に打った場合は《C3》が黒に返り、周りには空きマスが5つも出てしまう、開放度5の悪手となってしまう訳です。
これが基本的な開放度の考え方です。当然ですが開放度が0だからと言って、危険なX打ち《B2》《B7》《G2》《G7》は安易に行ってはいけないので注意してください。(もちろん打つ局面ではX打ちをする場合もあります。)
開放度については概ね前述の通りですが、開放度が小さい手が必ず最善手になるとは限りません。例えば黒が圧倒的に有利な下記の局面、黒の手番です・・・
開放度のことを考えるのであれば、あからさまに《開放度0》の好手が《C4》であることがすぐに分かると思います。もちろん《開放度0》なので好手であることに間違いありません。ですが、《C4》には、慌てなくても白を置くことはできません。それどころか・・・
このように、《C4》に黒を置くと、《B3》もしくは《B5》と白を置ける場所を増やしてしまうのです。であれば、《C4》よりも、黒は《F1》や《D8》《E8》に石を置くべきです。例えば最善手である《F1》に石を置いた場合、以下のような盤面になります。
一見、《F1》は《開放度3》の手となっているのですが、実はこの手は《開放度0》といってもよいのがわかるでしょうか?《開放度》とは前述の通り、返した石の周りの空きマスの数を指すのですが、さらに厳密に言うと、返した石の周りに相手が石を打てる空きマスのことをいうのです。
まず《E1》については、挟む対象となる白石が無いため、(白石が置けないため)開放度としてはノーカウントです。《G1》に白を置くと黒に隅が取られるので、ここにも白を置くことができません。最後の《G2》についても危険なX打ちとなり、近い将来隅が取られることが確定するため、安易に白石を置くことができません。
このように一見開放度が高く見えても、実質白石が置けない状況であれば開放度は0として扱えるわけです。同じ開放度0なのであれば、白の打てる場所が増える《C4》ではなく、白の打てる場所が増えない《F1》の方が最善手となります。
開放度はとても大切な考え方となるので、例題をもう一つ。以下の局面、白の手番です。開放度の考え方から一度解説を見る前に最善手を考えて見てください。
先読みをせずに開放度だけを見ると、《開放度1》の《B4》という好手を見つけることができると思います。この《B4》を見つけれるだけでも、見つけることができないプレイヤーと比較すると有利にゲームを進行することができます。ですが、《B4》は好手ではありますが、最善手ではありません。とりあえず《B4》に白を打ってみます。
白に変える石は《C5》で隣接する空きマスは《B6》のみの《開放度1》の手ですが、《B4》に白石を打つことで黒は《B3》もしくは《A4》に石を打てるようになってしまいます。
【オセロで勝つために必要な4つのこと】を思い出してほしいのですが、オセロに勝つために必要な43のことの一つに《相手の打てる場所を減らす》というものがあったと思いますが、《B4》に白石を打っても、黒が打てる場所が減っていないことがわかると思います。
では今度は白石を《B4》ではなく、《B6》に打ってみます。
返る石の隣接する空きマスは《B4》《C3》の2マスなので《開放度2》の手となります。ただし、挟むための黒石が無いため、《B4》《C3》には黒石を打てない、実質《開放度0》の最善手となります。また、《B6》に白石を置いたことで、黒は《B7》に打つことができますが、《B7》は隅が取られる危険な位置Xにあたるので、石を打てる場所にはカウントされません。
つまりこの局面の白の手番、《B4》も悪くない好手ではありますが、最善手は《B6》ということになります。
開放度の仕組みや意味を理解しているだけでも、開放度を知らない人と比較するとかなり有利にゲームを進めることができますが、ただ単に空きマスだけを数えるのではなく、その結果、相手が置けるマスを考えたり、《開放度0》の空きマスをストックしつつ他の好手が無いかをチェックできると、かなりオセロのレベルはアップします。
必勝法その2-《偶数理論》を知ろう
必勝法のその2は局終盤にとても重要になってくる《偶数理論》です。この考え方も《知っている》《知らない》では勝敗を大きく左右します。
局終盤になるとよく見かけるこの形。終盤になってくるとこのように、いくつかの空きマスの塊が複数できることが多くなります。この各空きマスについて最後の一手を打てる方が有利になるケースが非常に多いです。この最後の一手を打つことを手止まりと言います。
では、《空きマスの塊》の最後の一手を打つにはどうすればよいか?簡単な算数ですね。奇数のマスは自分が打ち、逆に偶数マスは相手に打たせるように手を進めていきます。
先程の局面であれば・・・・
白色・黒色とわず、3つある奇数の空きマスは、自身が先に打ち、偶数の空きマスは相手に打たせるように立ち回ります。奇数マスばかりを狙って打つと、《1》つまり最後の最後の一手が打てることになります。この空きマスの塊の最後の一手を打つことを手止まりと言います。
必ずしもすべての手止まりが有利というわけではありませんが、圧倒的に有利になるケースが多いです。場合によっては、隅を犠牲にしても手止まりを打つことで逆転できるケースも多くあるので、空きマスの《5・3・1マス》は自分が打ち、《4・2マス》は相手に打たせるように意識します。この考え方を偶数理論と言います。
また、もう一つの理由として手止まりの手は、《確定石》になることが非常に多いです。《確定石》というのは、その局中絶対にひっくり返すことができない石の事を言います。
分かりやすいのが《隅》ですね。オセロで隅を取ると有利というのは誰でも感覚的に理解していると思います。これは《隅》が一度取ると返すことができない《確定石》になるのが理由の一つです。また、《隅》以外も上記の配列のように、《隅+辺》が埋まった場所の石はひっくり返すことができない《確定石》となります。
オセロで勝つためにはこの《確定石》を増やすことも重要で、《手止まり》の手というのは、《確定石》を増やせることが多い手とも言えます。
必勝法その3-《定石》を知ろう
前述までに紹介してきた《開放度》《偶数理論》《確定石》《手止まり》について理解していれば、これらを知らない人にとっては必勝の方法となり得るはずですが、最後の一押しとして《定石》について紹介してきます。
オセロには局が終了するまでに、数えきれないほどのパターンが存在します。たった、8×8=64マスに交互に石を置いていくだけなのに、全く同じ形で局が終了することが無いのはこのためです。
少し話がそれましたが、局終盤になるにつれた打ち方のパターンは枝分かれし、同じ形にはなりにくくなりますが、局序盤は石打つ(打てる)場所が少なく打ち筋がある程度パターン化されており、初手から5手目程度までは最善(もしくは最善に近い)打ち方が決まっています。これをオセロの《定石》といいます。この定石は先人たちがオセロの必勝法を解析・研究した結果です。使わない手はありません。
オセロの《定石》は細かく分けると、何十種類も存在しますが、大きく分けると《うさぎ定石》《牛定石》《虎定石》《ねずみ定石》4つに分かれます。これを《オセロの4大定石》と言います。
各定石については、下記の記事でまとめているのでよければ参考にしてみてください。
オセロは、その局が終了するまでに、100万通りを超す手順があり上級者に勝つためには、常に最善に近い手を打つことが必要になってきます。 手が進むにつれて、その手順は木の根のように広がり最善の手を導き出すのが困難になってきま …
前回は、2手目の縦取りから派生する基本の四大定石《うさぎ定石》について紹介させていただきました。 今回は、2手目の斜め取りから派生する牛(うし)定石について紹介していこうと思います。繰り返しになりますが四大定石は局序盤で …
オセロの序盤の打ち筋には最善手に近いとされる打ち筋が4つあります。この打ち筋のことをオセロの4大定石といい、この打ち筋からはずれた打ち方をすると不利になるケースが多くなります。 今回は、オセロの《うさぎ定石》《うし定石》 …
オセロの四大定石も最終回です。今まで、《うさぎ定石》《うし定石》《とら定石》の手順を紹介してきました。今回は4つめの《ねずみ定石》となります。この《ねずみ定石》を最後にしたのには理由があります。 それは、他の3つの定石と …
序盤は、この定石通りに打つと間違いはありません。思考停止で打って問題ありません。先にこの定石から外れた打ち方をした方がその後のゲーム展開が不利になるケースが多くなります。
まとめ-【伝授】オセロの必勝法!わかりやすく解説
今回は、オセロの必勝法について解説させていただきました。オセロはルールはとても簡単ですが、考えれば考えるほど奥が深い飽きの来ないボードゲームです。
繰り返しになりますが、オセロに必勝法は存在しません。ただしここで紹介した、《偶数理論》《開放度》《確定石》《手止まり》等の考え方を活用すれば必ず(知らない人が相手だと)オセロの必勝法になり得るはずです。レベルアップしたオセロの腕前で家族や友達を是非驚かせてみてください。