【エンジン振動を抑制!】エンジンマウントの働きと効果

同じ自動車を何年も運転していると、たとえ大切に乗っていても部品が劣化して様々なトラブルが発生します。もし自動車自体の振動が大きくなったり、加速・減速時にエンジンルームから「ガコッ」と異音がする場合は、エンジンマントが劣化・損傷している可能性があります。

エンジンマウントとは?

エンジンを搭載している自動車には、エンジンマウント(英語:engine mount)と呼ばれるパーツが設置されています。このパーツはエンジンと車体を繋ぐ重要なパーツです。

自動車エンジンの多くは[レシプロエンジン]となっていて、ガソリンと空気を圧縮・爆発・燃焼させることで動力を得ます。この時必ず爆発による振動が発生します。この振動を抑制するのがエンジンマウントの働きの1つです。

エンジンマウントは、主に鉄と硬いゴムからなる複合パーツとなっていて、このゴムの部分が爆発による振動を吸収し、車内に伝わる振動を抑制します。

エンジンマウントが劣化すると・・・

エンジンマウントは前述の通り、エンジンの振動を吸収するため、主にゴムと鉄の複合パーツとなっています。エンジンマウントに限らず、タイヤやワイパー等と同様に、ゴム部分は「高温」「低温」「多湿」「経年」等様々な要因で劣化しやすい素材です。

起こりやすい劣化(変化)は、ゴムの硬化です。ワイパーが水滴を綺麗に取り除いてくれなかったり、タイヤが滑りやすくなったりする原因の一つもこのゴムの硬化です。エンジンマウントにおいても、ゴムが硬化してしまうと、振動を吸収することができず、振動をそのまま車内に伝えてしまいます。

次に、ゴムの伸縮があります。エンジンマウントの場合はゴムが劣化すると縮む場合が多いです。すると、エンジンマウントのゴムと鉄の部分にガタつきが生まれ、ゴム自体が柔らかくても振動が生まれてしまいます。

ひどい場合は、ゴム自体が断裂してしまいエンジンマントの防振作用が機能しなくなる場合もあります。実体験とては、エンジン振動による音で車内で流している音楽や会話が聞き取りにくかったり、「このイスはマッサジチェア??」と思うほどの不快な振動を感じたことさえあります。

エンジンマウントの補修の目安

車種や普段の運転の仕方・住んでいる地域・保管状況等様々な要因があるため一概には言えませんが、概ね7~10年・走行距離で10万キロが交換の目安になってくると思います。

ただ、エンジン振動が車内に過度に伝わるといった症状が現れない限り無理に交換する必要はありません。また、車検が通らないということもありません。ただし電子制御だらけの自動車で各所に強い振動が常に加わると思わぬ故障の原因になる可能性があります。

また、振動でボルトやネジ類も緩みやすくなるのでエンジン振動が強くなったと感じたら、早めに点検に出すことをオススメします。

実際にエンジンマウントをディーラーで交換した時の費用

私が実際に乗っている自動車はトヨタのウィッシュ(ステーションワゴン)で、年式2005年(平成17年)、走行距離11万kmとなっています。数年前から、車内に伝わるエンジン振動が徐々に大きくなり、ついに我慢ができなくなったのでディーラーにて点検・交換してもらうことになりました。

経年・走行距離共に交換目安を超えているので、よくもってくれた方だと思います。この年式のウィッシュのエンジンマウント(エンジンマウンティングインシュレータ)は4つあり、部品と技術料は以下の通りとなります。

エンジンマウンティングインシュレータの部品代と技術料
パーツ名 部品代 技術料
エンジンマウンティングインシュレータRH 14,520円 6,270円
エンジンマウンティングインシュレータFR 7,810円 5,170円
エンジンマウンティングインシュレータRR 8,470円 7,260円
エンジンマウンティングインシュレータLH 8,470円 7,260円

小計65,230円・・・・なかなかの費用となります。この金額は、あくまでディーラーで交換した時の費用になっているので、ディーラー以外の信頼できる整備工場などに依頼できれば、かなりコストを抑えることができると思います。また、エンジンマウントが3つの車種や軽自動車の場合も当然かかる費用は少なくなります。

エンジンマウントを交換してみて・・・

交換後の感想ですが、今まで少し我慢して乗ってたことも有り、かなり車内に伝わるエンジン振動が静かになりました。エンジンを始動した時の音もかなり小さくなり、一瞬「エンジン動いている??」と思ったほどです。

走行時はもちろん、信号待ちのアイドリング時もかなり防振が改善され快適に走行できるようになりました。少し気になっていたエンジンマウントの劣化による燃費についてですが、パーツ交換前・交換後にそれぞれ何度か計測してみましたが、大きな変化は見られませんでした。