大富豪(別名:大貧民)は誰でも一度は遊んだことのあるトランプゲームだと思います。ゲーム性が高く、かつ運要素もあり、老若男女だれでも楽しく盛り上がれるのが大富豪です。
ただ、一方で人気が高いため麻雀と同じように多くのローカルルール(地方ルール)が存在し、いつもと違うメンバーと遊んでみると「何そのルール??」なんてことも少なくないかと思います。
大富豪の【公式ルール】・【ローカルルール】やり方を解説
あまり一般には知られていませんが、実は大富豪にも公式ルールが存在します。この公式ルールは一般社団法人日本大富豪連盟が提唱するルールとなっていて、定期的に大会も開かれています。ここでは、そんな一般社団法人日本大富豪連盟の大富豪の公式ルールと共に比較的人気のあるローカルルールも一部紹介しています。
大富豪は採用されるルールで戦略が大きく変化します。この記事をご覧いただいている方の中には「そんな大富豪のルールはないだろう!?」とチェックのために訪れている方もいることでしょう。
大切なことは「みんなで大富豪を楽しむこと」なので、みんなが楽しければ公式ルールに縛られる必要は一切ないかと思いますが、ルール選定で折り合いがつかないようであれば、是非公式のルールで大富豪を遊んでみてください。
大富豪の基本ルール
大富豪は公式ルールでは4人で行うトランプゲームで、4人に均等に配られたカードを一定のルールに従い時計回りに出していきます。そして、手持ちのカードを場に全て出すことができたプレイヤーから順にあがりとなります。
4ゲームを1セットとして、それを3回繰り返し(計12ゲーム)最終的にポイントが高いプレイヤーが勝者となります。
プレイヤーが上がった順に【大富豪】2ポイント/【富豪】1ポイント/【貧民】-1ポイント/【大貧民】-2ポイントと階級とそれに応じたポイントが与えられ、次のゲームからはビリのプレイヤー、つまり大貧民から時計回りにカードを切っていくことになります。
公式ルールは4人で大富豪をプレイしますが、ローカルルールの多くは人数制限は無く、4~6人程度で遊ぶのが一般的になってきます。2~3人でも大富豪を遊ぶことができますが、人数が少なくなればなるほど相手の手持ちカードが予測できるようになるので、ゲーム性が損なわれてしまいます。
階級については、5人以上のプレイヤーがいれば、【大富豪】【富豪】【貧民】【大貧民】以外つまり、1位・2位・ブービー・ビリ以外のプレイヤーの階級は【平民】を割り当てることが多くなり、逆に3人の場合は【大富豪】【平民】【大貧民】、2人の場合【大富豪】【大貧民】の階級が割り当てられます。そもそもローカルルールなので、より実力差をわかりやすくするために、階級制度を採用していないグループもあります。
大富豪のブラインドカードと席決めについて
大富豪の公式ルールでは、ゲーム性を高めるためにブラインドカードとして52枚の数字カードから2枚誰にも分らないように伏せた状態で抜き取り、代わりにジョーカーを2枚入れ、計52枚のカードでゲームを進めていきます。このブラインドカードは1セット(4ゲーム)毎に交換します。
- スペード/ハート/ダイヤ/クラブマーク のカードを各1枚、テーブルに伏せて置く。
- 任意の順番でカードを引き、該当するマークの席に着席する。
- 最初のゲームはスペードがブラインドカードを抜いた52枚のカードを時計回りに配りゲームを開始します。
以降カードは、大貧民が配ることになります。
大富豪の【カードの強さ】と【カードの出し方(役)】
大富豪は均等に配られたカードを一定のルールに従い順番に切っていくのですが、大前提として次のプレイヤーは前のプレイヤーよりも必ず強いカードを切らないといけません。カードの強さはスート(マーク)に関係なく数字で判断します。
通常時大富豪の最弱のカードは《3》となり4・5・6・7・・・・13・1となり数字の中で最強のカードは《2》となり、それよりも強いカードがジョーカーとなります。
例えば、あるプレイヤーがダイヤの《9》を出した場合、次のプレイヤーがカードを出す場合、10以上の強さのカードを、つまり《10》《11》《12》《13》《1》《2》もしくは《ジョーカー》から切るカードを選択する必要があります。スート(マーク)は関係ないので、カードの強さが勝っていれば、スペード・クラブ・ハートいずれも切ることができます。
ただし、強いカードを持っている場合であっても必ずしもカードを切る必要は無く、カードを切りたくない場合は戦略としてパスを選択することも可能です。公式ルールでは一度パスを選択した場合、場が流れるまでカードを出すことはできなくなります。
通常時のカードの強さは上記の通りとなりますが、通常時でない時もあります。それが革命です。後で革命については詳しく説明していきますが、《革命》が起こるとジョーカー以外の数字の強さが反転します。つまり数字の中で最強のカードが《3》となり最弱のカードが《2》となります。
次にカードの出し方についてですが、カードの出し方は3種類に分かります。
- 1枚出し
- 複数枚出し
- 階段出し
カードの出し方は、ゲーム開始最初のプレイヤー、もしくは、自分以外のプレイヤーが全員パスしそのターンが流れた場合に選択権があたえられます。大富豪はこの選択権を多く得ることでゲームを有利に進めていくことができます。
大富豪のルール-1枚出し
1枚出しの場合、次の番のプレイヤーはスート(マーク)に関わらず、切り出されたカードより強いカードであれば1枚出すことができます。そのターンが流れるまで1枚出しの縛りが発生。最強のカードどしてジョーカーを使用することも可能です。
大富豪のルール-複数枚出し
複数枚出しは同じ数字のカードを《2枚出し》《3枚出し》《4枚出し(革命)》と複数枚同時に切る出し方となります。最初のプレイヤーが2枚出しをすれば他のプレイヤーも2枚出しを。最初のプレイヤーが3枚出しをすれば他のプレイヤーも3枚出しを。・・・とそのターンが流れるまで複数枚出しの縛りが発生します。複数枚出しにジョーカーを組み込むことも可能です。
大富豪のルール-階段出し
同じスート(マーク)の連続する数字のカードを3枚以上まとめて切る出し方。もちろ階段出しの縛りが発生します。階段出しはなかなか揃わないので、階段出しができればゲームを有利に進めることができるケースが多くなります。もちろん階段出しにもオールマイティーカードとしてジョーカーを組み込むことが可能です。
階段出しをする際は前プレイやが出した階段出しの一番弱い数字より強い数字から始まる階段出しであれば切ることが可能です。
ローカルルールでは階段出しの数の重なりを良しとしないルールを採用している場合があります。
公式ルールでは《5/6/7》の階段出しに対して《6/7/8》は可能ですが、上記のローカルルールの場合は、《5/6/7》の階段出しに対しては、《8/9/10》以上の階段にする必要があります。
また4枚の階段出しが成立した場合、《階段革命》というローカルルールを採用しているグループもあります。
階段出しの公式ルール・ローカルルールは下記の記事でも紹介しているので、良ければ参考にしてみてください。
《ババ抜き/ジジ抜き》《七並べ》《スピード》《ポーカー》《ダウト》等、トランプには大勢で遊ぶと盛り上がるゲームが多くあります。今回はそんな数あるトランプゲームの中から《大富豪/大貧民》のルールの一つである、《階段出し》に …
順位が確定したらカード交換を行います
大富豪たる所以です。順位が確定したらカード交換を行います。冒頭でもお伝えした通り、公式ルールでは、大富豪は4人で行います。そのため、階級は順位順に《大富豪》《富豪》《貧民》《大貧民》の4階級にわかります。カード交換は《大富豪と大貧民》間、そして《富豪と貧民》間で行うことになります。
- 大富豪は任意の不要なカードを2枚大貧民に渡します。
- 富豪は任意の不要なカードを1枚、富豪に渡します。
- 貧民は手持ちのカードで最も強いカードを1枚、富豪に渡します。
- 大貧民は手持ちのカードで強い順に2枚、大富豪に渡します。
つまり大富豪は勝者が連勝しやすく、敗者が連敗しやすいトランプゲームとなります。
大富豪のカード交換は通常互いがカードを伏せて(見えないように)行いますが、ローカルルールでは、大富豪(富豪)が大貧民(貧民)からカードを受け取ったカードを確認した後、任意の不要カードを渡すルールを採用している場合もあります。
大富豪5つの5大公式ルール
日本大富豪連盟では《革命》《8切り》《都落ち》《スートしばり》《スペ3返し》5つのルールを提唱しこれらを大富豪の5大公式ルールとして採用しています。
5大公式ルール-革命
【カードの強さ】と【カードの出し方】でふれているとおり、大富豪のカードの強さは最弱の《3》から始まり4・5・6・7・・・・13・1となり数字の中で最強のカードは《2》となります。
ですが、《革命》が起こると、(ジョーカーを除いて)カードの強さが逆転します。つまり《2》が最弱となり数字の中では《3》が最強となります。ジョーカーがカードの中で最も強いのは、革命前・革命後でも同じです。
革命は同じ数字のカードを4枚、もしくはジョーカーを含めて5枚出すと成立します。
革命はカード場切られた時点で即時適用されます。そのため、革命返しをするためには、場に切られたカードよりも弱い(革命後に強い)カードを出す必要があります。
公式ルールだと革命は場に切られた時点で即時適用となりますが、ローカルルールでは、そのターンが流れることで初めて革命が適用されるルールを採用しているグループもあります。このルールの場合、仮に最初のプレイヤーが《5/5/5/5》とカードを切った場合、この時点では革命は成立しておらず、次のプレイヤーが《8/8/8/8》と出すことができ、さらに革命返しとなり革命は無かったこととなります。
またローカルルールには、階段革命というものもあります。その名の通り、4枚以上の階段で革命とするルールとなります。
5大公式ルール-8切り
8切りは、1枚出しや階段以外の複数枚だしで8を切ると場を流せるルールです。ジョーカーを絡めて複数枚出しでも8切りが成立しますが、階段に8が含まれていても8切りは成立しません。8切り採用の公式ルールでは、強制的に場を流せる8切りの使い方がとても重要で使い方次第で勝敗が大きく左右します。
ローカルルールでは「階段に8が含む場合でも8切りが成立する」ルールを採用しているグループもあります。
5大公式ルール-都落ち
大富豪が一番に上がれなかったときは、次のゲームで強制的に大貧民にするとするルールがこの《都落ち》となります。公式ルールでは、都落ちが確定した時点でそのプレイヤーはそのゲームが終了となります。
ただし、同回で反則上がりをしたプレイヤーがいた場合は、反則上がりに優先的に《大貧民》や《貧民》の階級が与えられ、都落ちはその次に悪い階級が与えられることになります。
5大公式ルール-スートしばり
スート(マーク)しばりは、直前に出されたマークと同じスートが出された場合は、場が流れるまで同じスートしか出すことができない公式ルールとなります。
1枚出しの場合は、他のプレイヤーもカードを切れる場合が多いですが、複数枚出しのスート縛りになると、カードを切ることがかなり困難になります。
ジョーカーを含んだ複数枚出しでスート縛りは発生しませんが、スート縛りが発生した後でジョーカーを入れて複数枚のカードを出すことは可となります。
5大公式ルール-スペ3返し
ジョーカーが1枚出しされた時のみ、スペードの3が最強になるルール、それが《スペ3返し》となります。《スペ3返し》が適用された場合、その場は流れスペードの3を出したプレイヤーから自由にカードを切ることができます。また《スペ3返し》はスペード以外のスート縛りが発生している場合であっても切ることが可能です。
単体のジョーカーより強いのはスペードの3のみで、《クラブ/ハート/ダイヤ》の3ではジョーカーに勝つことはできません。
スペ3返しのローカルルールで革命時のスペ2返しというものがあります。これは通常時、数字の中で最強の2が、革命が発生している時に最弱になることから、革命時のみスペードの2がジョーカーよりも強いとするルールとなります。このルールも公式ルールでは採用されていません。
大富豪の反則あがり
大富豪の公式ルールでは、いくつかのカードで上がることを禁じています。これを《反則あがり》といい反則上がりをしたプレイヤーはその時点で負けとなり、階級が大貧民となります。反則あがりをしたプレイヤーが複数いる場合は、反則あがりをした順に《大貧民⇒貧民⇒富豪》の階級があたえられます。
反則上がりが適用されるカードは特殊効果があるカードと強カードの2種となります。具体的には以下のカードに反則あがりが適用されます。
通常時(革命が起こっていない場合)の《2》
革命が起こっている時の《3》
場を流すことができる《8》
最強のカード《ジョーカー》(階段や複数枚出しに使用された場合も反則あがりとなります。)
最強のカード《ジョーカー》の1枚出しにのみ強い《スペードの3》
公式ルールでは以上のカードで反則あがりが適用されます。《8》についてですが、《8》を含む階段は8切り(特殊効果)が適用されないため、8を含む階段あがりの場合、反則あがりは適用されません。
まとめ- 大富豪のルール・やり方をわかりやすく解説
今回は大富豪の公式ルールやローカルルール・そしてそのやり方について紹介させていただきました。ローカルルールは無数に存在しローカルルールの数だけ大富豪の楽しみ方は広がります。
ここで紹介されている大富豪のローカルルール意外で「こんなものがある」「このルールが面白い」等があれば、是非コメント欄で教えていただければと思います。
わかりやすいですね。