【フラッシュゲームができなくなる!?】Flashサポート終了によるWeb業界の今後の動き

アドビシステムズ(Adobe Systems Incorporated)が2017年7月にFlashのサポート終了を正式発表をしてから早2年半が経過しました。いよいよ、今年の末(2020年末)にFlashのアップデートや配布等のサポートが終了します。

この動きはWeb業界で非常に大きな流れの変化となりますが、「Flashって何?」という人も少ないと思います。ここでは、約20年に渡りWeb上のゲームや音楽、動画等のコンテンツを支え続けてきたFlashとサポートが終了によるWeb業界の今後の動きについて紹介していきます。

Flashとは?

Adobe Flashとは、Web上で配信されている、音楽や動画、ゲーム・サイトのナビゲーション等いわゆるリッチコンテンツと言われる動的なページを作成するために必要不可欠なソフトウェアでした。一昔前まで「動的なページのほとんどはこのAdobe Flashで作成されていた!」と言っても過言ではありません。

「フラッシュゲーム」「フラッシュ倉庫」「フラッシュ動画」等のキーワードが懐かしく感じる方もおられると思います。これらのコンテンツは、Flashで作成されFlash Playerで再生することができました。あのYouTubeですらFlashをデフォルトの動画プレイヤーに設定にしていた時代もあります。

そんのWebコンテンツの一時代を築いたFlashのサポートが2020年末に終了することがアドビシステムズから正式発表されています。

なぜFlashのサポートが終了?

結論を先に行ってしまうと、Adobe Flashよりも優れた、HTML5、WebGL、WebAssembly等の台頭があげられます。・・・・例えばHTML5はAdobe Flashと比べ、起動速度が速く、Flashのようにプラグインを必要としません。また消費電力も少ないため、スマートフォンなどのバッテリー内蔵型のデバイスにも適しており、セキュリティー上の観点からもHTML5の方が優れています。

実はこのセキュリティーの脆弱性の懸念がFlash終了に至る大きな理由の一つとなっています。というのもAdobe FlashがWeb全体に普及して多くのセキュリティ上の脆弱性が発見されていて、多くのハッカーの標的になってしまっているのです。もちろん脆弱性が発見される度にAdobeもアップデートをして対応してきましたが、またすぐに次のセキュリティ問題が発見されてしまっているのです。

日本で圧倒的な人気を誇るiPhoneでは上記のセキュリティの脆弱性やFlashがオープンな技術でないこと、消費電力の問題からFlashをサポートしてきませんでした。このこともFlashのサポートが終了の理由の一つになっているでしょう。

Web業界全体のFlashの対応

以前から2020年の末でAdobe Flashのサポートが終了することがわかっていたので、業界全体で脱Adobe Flashの動きが加速しています。

例えば、[Chrome][Firefox][Edge][IE]等の利用率の高いブラウザは、のきなみデフォルト設定でAdobe Flashは無効になっていて、既にブラウザ側で手動で設定をしないとFlashコンテンツが利用できない状態になっています。

そして、Adobe Flashの代わりに台頭したのが先程からお話に出ているHTML5です。主要ブラウザの最新版はすでにHTML5に対応していて、YouTubeやFacebook等もHTML5への移行が完了しています。企業・個人問わずにAdobe Flashをコンテンツとして利用しているなら、HTML5等の代替えプラットフォームへの切り替えが急務となってきます。

Web上に残った大量のフラッシュゲームの今後

フラッシュゲームやフラッシュ動画など、ブラウザ上で簡単に楽しめるフラッシュコンテンツは今なお利用している人も多いとおもいます。もちろんこれらもAdobe Flashのサポートが終了次第利用できなくなる予定です。

システム利用料や広告等で十分採算が取れていたり、影響力の高いフラッシュコンテンツは、順次代替えプラットフォームへの切り替えが行われてきていますが、人気のフラッシュコンテンツであっても個人作成だったり、採算が取れていなかったりと様々な理由でAdobe Flashサポート終了と共に消えゆくフラッシュコンテンツが大量にあると予想されています。こういったフラッシュコンテンツを後に残そうとする動きがいくつか見られます。

Ruffle【Rust製】のFlashプレイヤー

RuffleはAdobe Flashをエミュレートするプログラムで、デスクトップやブラウザの拡張機能としてブラウザでのフラッシュコンテンツの再生を目的としています。

オフラインでフラッシュゲームを実行する【Flashpoint】

Flashpointには、4万を超える大量のフラッシュコンテンツが登録されていて、登録されたフラッシュコンテンツをダウンロードすることでオフラインでフラッシュゲームをプレイすることができます。