2019年10月14日を最後に日本のカレンダーから「体育の日」が無くなりました。2020年からは体育の日ではなく「スポーツの日」が国民の祝日として新たにカレンダーに記載されることになります。
ここでは50年以上カレンダーに記載され続けてきた「体育の日」が何故なくなるのか、そして何故「スポーツの日」になるのかをまとめています。
「体育の日」とは?
体育の日とは、16日ある国民の祝日のうちの一つで、10月の第2月曜日がこれにあたります。国民の祝日にはそれぞれ意義があります。体育の日は「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。」という意義があり、1966年~2019年の54年間にわたり10月の「国民の祝日」としてカレンダーに記載されていました。
体育の日は、1964年(昭和39年)に行われた東京オリンピックの開会式が10月10日であっため、その2年後の、1966年(昭和41年)から国民の祝日となりました。ですので、本来体育の日は10月10日だったわけです。
ただ、その後特定の国民の祝日を固定日ではなく特定週の月曜日に移動させる法改正、ハッピーマンデー制度が施行され2000年から体育の日は10月の第二月曜日となりました。
ちなみこのハッピーマンデー制度により本来1月15日の「成人の日」が同年(2000年)から1月の第二月曜日に。そして、2003年からは7月20日だった「海の日」が7月の第三月曜日に。9月15日だった「敬老の日」が9月の第三月曜日に移動されています。
「スポーツの日」とは?
スポーツの日とは、様々な国で施行されているスポーツに関する祝日です。日本でも2020年より「体育の日」を改め「スポーツの日」と名称が変わります。変わるのは名前だけではなく、その意義も変わります。
体育の日が「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう。」だったのに対して、スポーツの日の意義は「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」とされています。
スポーツの日は通常、体育の日と同様に10月の第二月曜日となりますが、2020年に限り7月24日がスポーツの日となります。これは2020年に東京の国立競技場で開催される世界的なスポーツの祭典、オリンピックの開会式に合わせたものとなります。
東京2020大会の開会式・閉会式の概要や、関連する取り組みをご紹介します。
ちなみに、16日ある国民の祝日ですが、名称は全て「ひらがな」か「漢字」でしたが、今回初めて国民の祝日にカタカナ(英語)が使用されることになります。
2020年の「スポーツの日」だけを7月24日にする理由
これは先ほどもお伝えした通り、オリンピックの開会式の日程に合わせている為です。もうすこし掘り下げて説明すると、2020年7月24日を含めその前後は東京オリンピックに出場する選手はもちろんのこと、それに関わる多くのスタッフや外国からの来賓があります。
これに、通勤や通学、その他物流が重なると交通がマヒしてしまう可能性があります。そのため、2020年7月24日だけ特例としてスポーツの祭典と深く関わりのある「体育の日(スポーツの日)」を移動させ交通の混雑を緩和するのが目的となっています。
これと同じ理由で東京オリンピック競技大会閉会式の8月9日(日)に合わせ、翌日の混雑を緩和させる目的で本来、国民の祝日である8月11日の「山の日」を1日ずらして8月10日としているほか、本来7月20日の海の日も開会式前日の7月23日に移動されます。
要は、東京オリンピックの運営を円滑に準備・運営するために特例として祝日を移動させている訳です。当然、特例で移動した祝日は、オリンピックが無い2021年からは通常の「国民の祝日」の日付に戻るこになります。
体育の日からスポーツの日に名称が変更される理由
そもそも、体育とは「適切な運動を行い運動能力の向上や健康な生活を行うための教育や教科」と言った意味が含まれます。次にスポーツについてですがスポーツは「楽しみを求めたり、勝敗を競う目的で行われる身体運動の総称のことで、競技スポーツの他にもレクレーションも含まれます。」
体育は学校教育の一つで受け身的な部分、また少し硬いイメージがありますが、スポーツになると自発的な部分も含めもっと広い意味での身体運動のことをさせることや、国外でもスポーツの日が使用されていることが理由の一つに挙げられると思います。
学校教育の体育の名称の変更までは今のところ無いようですが、国主催で行われる「国民体育大会」は、2023年より「国民スポーツ大会」に名称が変更になることが決まっています。