厚紙で箱を作るためには、いろいろと手順が必要です。
- 箱に入れる商品を決める
- 箱のサイズと形状を決める
- 箱の展開図にデザインをのせる
- 印刷会社にデザインを入稿して量産に入る
使用したい洋紙や表面加工等、他にも決めることはいろいろとありますが、おおまかに上記の手順が必要になってきます。今回は、《②の箱の形状》そして、《③の展開図》について見ていきたいと思います。
厚紙の箱、6つの超定番展開図
先に言っておくと厚紙の箱の展開図は無限に存在します。商品の形や大きさ重さによって、箱の展開図が異なるのはもちろん、入れるものが同じでもパッケージの形状(展開図)を変更することで、商品の見せ方を大きく変えることも可能です・・・・。
ですが、中でも超定番の形状が7つあります。厚紙でパッケージを作成したいのであれば、以下の超定番、厚紙の箱に使用される7つの箱の形状・展開図についてマスターしていきましょう
キャラメル箱(サック箱)の形状と展開図
キャラメル箱は別名サック箱といい、厚紙で箱を作る上で超基本的な形となります。用途も幅広く、《お菓子》《雑貨》《石鹸》《お薬》etc・・・様々な用途に使用されている形状となります。
特徴は価格。同サイズの他の形状のパッケージと比較して、展開した時の面積が小さくなる傾向があり価格を安く抑えることが可能です。ただしデメリットもあります。キャラメル箱はふたと底を同形状とする場合が多く、ふた・底共に開閉用のロックが小さく、重いものを入れると箱の底が抜け落ちてしまう可能性があります。特にふたや底が大きくなる形状の場合は注意が必要。
ジゴク底箱の形状と展開図
こちらもキャラメル底と同様にいろいろな用途で使用される厚紙の箱の形状となります。価格についても同サイズであればキャラメル箱に近い価格帯で生産できる場合があります。用途もキャラメル箱と同様に《お菓子》《雑貨》《石鹸》《お薬》等に使用されることが多いです。
特徴はその名の通り箱の底面にあります。物騒なネーミングですが、底面を押すとアリジゴクのように凹みます。一見弱そうに見える底面の強度ですが、キャラメル箱よりも底面の強度が強くなるケースが多いです。そのため、内箱(商品を複数まとめ入れする箱)にも使用される場合もあります。
キャラメル箱と同様に底面の面積が大きくなればなるほど強度は弱くなり、特に底面が大きくなった状態で中心に荷重がかかると底が抜けてしまう場合がありますが、底面に1枚下敷きとして厚紙を引いてあげることで底面の強度が飛躍的にUPします。
ワンタッチ底箱
平状態の箱を開くと自動的に箱の底面が組みあがる作業効率がとても良い箱となります。上記のキャラメル箱とジゴク底箱は共に底を組み上げる必要がありますが、ワンタッチ底箱はこの工程が不要です。
ただし、価格は同サイズのキャラメル箱・ジゴク底箱と比べると割高となる場合が多いです。理由は糊付けをする場所の数。
キャラメル箱とジゴク底箱はサイド貼りといって、それぞれ1か所糊を付けるのですが、このワンタッチ底の箱は箱組の作業率をUPさせるために、箱の底面にも+2か所、計3箇所糊貼りが必要となるためです。
強度は底面に糊貼りがされているので、キャラメル箱・ジゴク底箱と比較して強度は高く、ジゴク底箱よりもさらに重い物を入れることが可能です。
用途は、キャラメル箱や地獄底と似通って、《お菓子》《雑貨》《石鹸》《お薬》等に使用されますが、中でも商品数が多く、少しでも作業効率をUPさせたい場合に好まれて使用されます。
N式箱
上記で紹介してきた形状の箱(キャラメル箱・ジゴク底箱・ワンタッチ箱)と違い糊貼りを必要としない箱となります。用途としては、《お菓子》《雑貨》《業務用》はもちろん、女性であれば化粧品等のトライアルセット等でもおなじみの形状ではないでしょうか?
また、底面の紙は(天地左右)4方向と繋がっているので、箱が破けない限り底が抜ける心配もありません。さらに箱を量産する時に糊貼りの工程が不要なので、コストも比較的安くなる場合が多いです。
ただし、デメリットもあります。それは作業効率です。N式箱は罫線(折線)が多く、箱を組み立てるのに時間がかかります。ワンタッチ底の箱と比較すると組時間は4倍も5倍も違ってくるかと思います。
ケーキ・キャリー箱
ジゴク底箱やワンタッチ底・N式箱の変形で持ち運び用の持ち手が付いた形状、《片手で手軽に運ぶ》ということに特化した形状の箱がこの《ケーキ・キャリー箱》です。
ケーキのお持ち帰りやドーナツを複数個購入するとついてくる御馴染みの形状の箱ですね。構造的に手提げの引っ張りに強く、逆に手提げを押す方向への圧力には弱くなっています。手提げを持ったまま、箱を押し付けると中身の商品を気づ付けてしまう可能性があるので注意しましょう。
ギフト箱・ふた身箱
N式箱同様にこちらも糊貼りを必要としない厚紙の箱です。その名の通り、贈答・進物、《ギフト》関連商品を梱包する際によく用いられます。具体的いうと、《タオルギフト》《雑貨の詰め合わせ》《お菓子の詰め合わせ》《その他、食料品やスイーツギフト》等々・・・
糊貼りを使用しない形状ではありますが、《ふた》《身》と二つのパーツが必要になってくるため、他のパッケージと比較すると割高になるケースがあります。また、カンやビン等の重たい物を入れる場合は、段ボールで補強(貼合や補強パット)を行う為、さらに割高になってきます。
糊貼り無しの箱の宿命ですが、糊貼りが無い箱は組み上げるのに時間がかかります。中でもギフト箱は【7つの超定番】の形状の中でも最も組み上げるのに時間がかかる箱と言ってもよいでしょう。
スリーブ箱
先程紹介した《ギフト箱》の身箱と筒状のスリーブを組み合わせた箱となります。写真の通りスリーブをスライドさせることにより、箱を開閉することができます。
用途は《雑貨》《菓子類》《スポーツ用品》等多岐わたりますが、《バレンタイン用のチョコレートの箱》や《ゴルフボールケース》というとイメージしやすいでしょうか?比較的な構造で高級感がだせる厚紙の箱となります。
まとめ-厚紙の箱と展開図【6つの超定番の形状!】
いかがだったでしょうか。
今回は、厚紙の箱と展開図【7つの超定番の形状!】について紹介させていただきました。冒頭でもお伝えした通り、厚紙の箱とその展開図は商品の数だけ存在します。そして商品が増え続ける限り、ある意味無限に増え続けます。
「この形状・展開図にする!」と決め打ちするのも良いかもしれませんが、プロに相談してみるとよりよい最適解をだしてくれるかもしれませんよ。